先月の話なのですが、水天宮にある大好きなピヴォワーヌさんに、13周年記念のコースをいただきに行ってきました。
元々、門仲にあったそうなのですが私は水天宮に移転されてからお伺いさせていただいております。
門仲の時に牡丹町にあったことから、ピヴォワーヌ(牡丹)という店名になったのだそうです。
初めてお伺いしたのは、お客様で御近所付き合いもさせていただいているKさまに、すごく美味しいお店が移転してきたよーと教えていただいたのがきっかけでした。地元で大変人気があります。
ずっと後から知ったのですが、2011年のボンヌターブルと2014、2015年にミシュランでビブグルマンを取得しているのだそうです。
小さな前菜。とうもろこしのスープとツブ貝と枝豆。スープの自然な優しい甘味。一口目から嬉しくなります!
アワビ、サザエ アンショワイヤード。うんうんうん、とうなずいてしまうとても繊細な美味しさで肝も絶品でした。
ウニと人参ムース エストラゴン風味のコンソメゼリーのカクテル 赤ピーマンのアイス添え
赤津シェフの作ってくださる、こちらの魚介のコンソメジュレの大、大、大ファンで、毎回悶絶しながらいただいております。
赤ピーマンの甘味と酸味とウニ、コンソメジュレ、人参ムースの何層にも重なるハーモニーが素晴らしい!です。
語彙がなくて申し訳ないのですが「至福」とはこういうことを言うのではという、脳が喜びで満たされる美味しさ。お酒が飲める方はシャンパーニュとのマリアージュが大変おすすめです。
江戸前穴子の燻製と冬瓜プレゼ シラスパン粉をまぶして
燻製にしてある穴子とシラスの香ばしい香りが、何層かに分かれてあとからやってきて、
口の中で想定してない香りの奥行きと、パリっとした皮目なのにふわふわな穴子のほっとするような美味しさでした♡ 私のような素人が表現するのは失礼にあたるかもしれませんが、口に入れると想定しているより、味と香りに立体感と奥行きがあって、脳が!!ってなる感じなんです。
そして冬瓜と穴子がこんなに合うなんて、驚きます。とてもとても清らかな一品でした。
和牛フィレ肉のグリル
お野菜の鮮やかさ、お肉の火入れ、ソースとお塩のメリハリなど本当に素晴らしいです。艶やかで食べ進めるごとに喜びを噛み締めるこれまた至福の一皿でした。サービスも優しくてきめ細やかで、コースが終わるのがいつも寂しく感じます^ ^
高級感があるのに、とても居心地が良い隠れ家のような店内。キッチンも全てピッカピカです。このような状況なので、席は大きく間隔を空けて取ってくださっています。
デザートはシャインマスカットのパンナコッタ。
こちらはイチジクのコンポート。デザート、小菓子、コーヒーまで全部美味しくて楽しくて幸せな時間を過ごさせていただきました。
実は、こちらのピヴォワーヌさん、個人的に思い入れが深すぎて、なかなか記事に出来ないでいました。
熱海にそれはそれは有名なレストランがあったのですが、私は10年以上前に、そちらの福本シェフという偉大な素晴らしいシェフの、魚介のコンソメジュレが大好きで、何度もお伺いさせていただいていた時期がありました。
何年か前にお店は移転され、その後シェフがお亡くなりになられたことをずっと後で知り、非常にショックを受けておりました。
そんな中偶然ピヴォワーヌさんのお料理をいただいた瞬間に、味がなんだか似てるなあ!と思って、すごく嬉しく思って何度かお伺いさせていただいておりました。
熱海のレストランはもうなくなってしまったのですが、その時の素晴らしいソムリエの方が、熱海でとっても素敵なワインバーをやっていらっしゃるので、
「あの魚介のコンソメのジュレがまた食べたいなぁ」という話をしたら
「1人だけ、実は作れる人がいるよ」と教えていただいたいたのが、偶然にもこちらのピヴォワーヌの赤津シェフで
「もう行ってる!!!」と、奇跡のような偶然に大喜びし、
改めて事情を話し、お願いして作っていただくことができたのでした。またいただけるなんて幸せすぎます!そして、本当に感謝しかありません。
ある日の魚介のコンソメジュレ(の数々)です。
1番弟子だった赤津シェフが心を込めて再現してくださった、どの一皿も大切な大切な一品です。
ここまで、同じ味が再現できるのかと驚きとともに、最初の一口が福本シェフそのもの!感激で泣きそうになったほどでした。味と香りの記憶というのは深いですね。福本シェフも、赤津シェフの現在の素晴らしいご活躍をさぞかしお喜びのことと思いました。
お2人のお料理に対する姿勢や深い愛情と情熱、最後にシャイなとても優しい笑顔で送ってくださるお姿が、なんだか似ていらっしゃる感じがします。
実はコロナの自粛明け、1番にお伺いしたのも、ピヴォワーヌさんで、お料理を一口いただいたときに、全身が緩むような安堵感を感じました。生きている喜びを感じるお料理です。
一流の方というは、本当にすごいですね。足元にも及びませんが、私ももっともっと自分が大好きな分野の勉強が、刺激を受けてさらにしたくなりました。
どのような状況下であっても、いらしてくださった全ての方が、心から幸せな気持ちになれる場所を御提供できるように、私も努めたいと思います。