サイマティクス メンタルケア

サイマティクスと認知症

13年以上のお付き合いで、最高齢の私の大切な大切な友人でもあるKさまが
事情があって、もうお会いすることができなくなってしまいました。
もうすぐ94歳のお誕生日を迎えます。

Kさまの場合、かなり高齢なのでいわゆる「まだらボケ」という状態で
認知症の初期症状である「理解力や判断速度の低下」「集中力・作業能力の低下」など
日時や予定が昨年からわからない状況が続いていました。

きっかけは、97歳のご主人が亡くなったことでした。
ご主人が亡くなるまで「老々介護」の状態で、ご本人はいつもお身体が疲労困憊していて
当サロンにいらしてくれることが唯一の楽しみで「いつも後何日、後何日、と指を数えて待ってる。」
と、有難すぎるお言葉を、私によく話してくれていました。
高齢になった時に、いきなり生活習慣や同居など環境を変えると
その変化に追いつけなくて戸惑っているうちに、体力もないので、受け止めきれないストレスを手放したい(考えたくない、忘れたい)ために
物忘れが始まる、というケースが自分の祖母たちを見た経験からも多いように感じます。

サイマティクスには、認知症と言う音があります。
認知症だけでなく、大脳皮質、βエンドルフィン、ニューロン、脳梁、脳幹、大脳、小脳、
神経細胞の再生、脳神経系の音などでケアしていき、
ご高齢の方特有の、眼の疾患や難聴、耳鳴りなどに、三叉神経、視神経、聴覚などを追加していきます。
また、物忘れが始まると、そのような状態の自分に罪悪感をいだいたり、
不安感を強くされて、余計にストレスがかかってしまうので、
自分を責めたり、不安にならないようなメンタル面の音を長めに入れさせていただきます。
いらした時はぼーっとしていても、施術後は、ほとんどの方が元の明るいご本人の状態にすっかり戻ってくださいます。

認知症とは、誰にも甘えず、責任感が強い性格で「忘れて楽になりたい」「忘れて楽にならないとキャパを超えてしまう」方がなるのではないか、と思います。もしかしたら、神さまに本当によく頑張ったから人生で一度ぐらい、楽していいよ!って言ってもらっているのかなあ、とも感じたりします。

今月の静岡出張(お正月)時に、Kさまと面識のない、お客様のYさま(86歳)から
いつも行く「デイサービスにKさんという人がいて、ここの話をいつもしている」という
本当に思いがけないシンクロがありました!

Yさまはつい最近Kさまと仲良しになられたそうで、うちの話で意気投合したのだと笑っていました。
Kさまが「〇〇ちゃん(私の下の名前)のとこにいけば、どんなことでも良くなるから絶対に行かないとだめだよ、って言ってたよ」
そして予約はもう入っていないのに「あれ?今度私何日に行けばいいんだっけ?」と会う度いつも言ってる、
と聞いた瞬間に、セラピストとしてあるまじき行為なのですが涙が出てきてしまい、
Yさまに慰めていただいてしまう、という大失態をしてしまいました。(これは後で本当に反省しました)

永遠に続くもの、というのはないことだと
頭でわかっていても、別れと言うのは突然やってくるものなんだなあとあらためて実感し、
彼女の慈愛に満ちた美しい眼差しや、いつもちょっと恥ずかしそうな優しい笑顔、一緒に笑いあった大切な時間を思い返して
本当に自分はベストを尽くせたのか、彼女の愛情にきちんと応えられていたのか?
といまでも考えてしまいます。

私たちは、いつも利己的なこと、病気や経済的な事などに惑わされたり、生きているだけで苦しいと感じることが多いと思います。
でも、気づいていないだけで愛はいつも自分の周りに満ち満ちていて
命とは、ただただ、その方が存在しているだけで大切で、どんなことがあっても、もしかしたら大したことではなく、楽観的に考えて毎日笑っているだけでいいのではないでしょうか。
本当は「命に関わること以外どうでもいい」のかもしれません。

彼女は、とにかく可愛いものが大好きな天真爛漫な方で
夏に履いていた、リボンのついた私の赤いサンダルを履いてもいい?とねだってきたり
ネイルを見せて見せてと、いつも大喜びして手をつないでくれていました^^
ネイルが派手であればあるほど喜んでくださって、いつも手がすべすべで気持ちいいとおっしゃってくださるので
手のお手入れに気が抜けなくて(笑)私も相当頑張っていたのですが、
もしかしたらまた会えるかもしれないので、今後もいつでも見せられるようにお手入れを頑張ろうと
今日ネイルに行った帰り道、決意しました。

これからも、出会ったすべての方とのご縁を大切に慈しんで過ごせるように
彼女が教えてくれたことを心に刻んで生きていたいと思った一日になりました。

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