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瓢亭~南禅寺

翌朝、南禅寺近くにある瓢亭別館へ。
瓢亭は、朝粥が有名な料亭なのですが、新型コロナになるまで
予約が取れたことがなくて今回初めてすんなり予約できました。

予約した8時10分前に到着すると、1組既に並んでいました。

本店は7月から8月しか予約を受け付けていません。いつか本店に行ってみたいです。

中庭を眺めながら、風情があって素敵な空間だなあと、ゆったりした気分でいたら、とっても美味しい梅昆布茶を入れてくださいました。目覚めの一杯です。

少し待っていると、瓢亭卵と八寸がきました。

こちらが有名な瓢亭卵。ひょうたん型の器には美しいお料理が。

瓢亭卵は、うっすらと塩気を感じる、プルっとしたきれいな半熟卵になっています。美味しい♡

小鉢にはボタン海老といくら。そういえば、いくらが旬の季節になりました。

↑ひょうたん型の八寸です。御浸し、旬の炊き合わせ、茶わん蒸し。

豆腐と海苔のお椀。どれもこれも上品なのですが薄味というわけではなくて、絶妙な塩加減です。作り置きなのかもしれませんがとても手が込んでいるのを感じます。

そしてメインの朝粥の登場です。香の物もついてきました。こちらの朝粥は、くずあんでいただきます。

お粥の炊き方が素晴らしくて、米粒感はしっかりと残っているのにちゃんとお粥で、すごいなあと思いました。くずあんのなんともいえない、御出汁の加減がすごーく優しい美味しさでした。身体にいいです。京都の朝のスタートに朝粥っていいですね♡

またいつか、季節を変えて来れたら嬉しいな、と思いながら南禅寺に向かいました。

前回、南禅寺に行った時も素晴らしかったのですが、10月に来れたのが初めてで楽しみにしていました。京都に来たらほとんど南禅寺に来るくらい、なぜか南禅寺のエネルギーが気に入っています。

今回は前回いけなかった「天授庵」目当てで訪れたのでした。お参りを済ませてからすぐに天授庵に行ってみました。

天授庵では枯山水庭園と池泉回遊式庭園、2種類の庭園を楽しむことができます。

菱形の畳石を直線で見せる構成が特徴的な枯山水庭園「本堂東庭」。

天授庵は南北朝時代序盤の1339年、南禅寺の開山・大明国師こと無関普門禅師を祀るために光厳天皇の勅許により建立。しかしその後の応仁の乱で焼失。
桃山時代に細川幽斎の援助を受けて現在も残る本堂(方丈)、旧書院、正門などの伽藍が整備されました。
建物内は非公開なので見られないのですが、国指定重要文化財となっている長谷川等伯の襖絵などが残っているのだそうです。

たまたま、檀家さんとすれ違って、綺麗だから早くあっちのお庭に行ってごらん、とにこにこ声をかけていただきました^^

早速庭園に来てみると・・・。

素晴らしい静寂の世界が待っていました・・・。南禅院もため息がでるほど素晴らしいのですが、天授庵も清浄化された空気がすごいです。

水滴の音に瞬く間に癒されます。言葉がでてこない感じ。

書院。残念ながら拝観中止になっていて、中は見れませんでしたが、ここからこのお庭を眺めたら相当素晴らしいでしょうねえ。

書院南庭。ここの紅葉はすでに色づき始めていました。

京都の真っ赤になる紅葉って、葉がすごく小さいんです。この大きさが赤さと関係があるのだとか・・。

竹がすごく真っすぐ真っすぐに伸びていて、ここでも穏やかな風にさらさらと音色を奏でていて、心なごみます。

この日は快晴だったので池に映る紅葉も美しくて、また無心で見ていました。

池に泳いでいる鯉が、人に慣れているのか本当にすぐ近くまで来てくれるので可愛く感じます。

天授庵に1時間半くらい滞在してからもう一度、参道に行きました。前回の時よりも苔が緑で、それをゆっくり楽しみました。

ものすごく大きな松や銀杏が植えてあるのですが、こんなに小さな松も所々植えてあって、ここから300年くらいかけて、大きな大きな松になるんだなあと感慨深いものがありました。その時の日本はどうなっているんだろう。

画像では小さく感じるかもしれませんが、この銀杏すごーく大きいんです。

黄色になる本当に手前の、このライムグリーン色が好きなのですがなんとも言えない美しさを放っていました。この画像の時点で、10日以上前なので、今頃は紅葉も銀杏も日に日に色濃くなっているんだろうなあと思います。

こちら、本堂側からみた三門です。土曜日だったので人が増え始めていました。みんな三門を見上げながら、わあ!って楽しんでいます。そういえば、今回どこも日本人しかいなかったような気がします。

見上げてみると、すごい高いところに、松ぼっくりがたくさん!

今回は、苔や青紅葉、侘びさびの美しい世界観を堪能することができて
人生が豊かになったなあと思いました。

「京都で苔寺と青紅葉をいつか見たい!」という願いがまたひとつ叶えられたこと、無事に来れたことへの感謝の気持ちと歓びを感じながら帰ってきました。

新型コロナにならなければ、もしかしたら同じ場所でも感じ方がちがったり、考えなかったことがあったかもしれないな、と思います。
新しい価値観が芽生えたり、自分の内側を深くまで見つめて発見したことがあったり、人生のプロセスの大切さを実感したり、
コロナ禍でもちろん大変なこともありましたし、これからも困難に感じることもまたあるかもしれませんが、
そういうことを含めて、これもまた人生の彩りなのかもしれません。

自然の美しさや文化に触れた時にただ癒されるだけではなく、年齢を経てから同じ本をもう一度読んだ時に感じ方が変わるように、
成長があってこその新しい気づきや大きな大きな感動があるんだ、とあらためて実感しました。
大切な日々を、もっと感受性豊かに丁寧に過ごしたいと思っています。

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