京都①からの続きになります。
翌朝、7時過ぎに南禅寺へ。
南禅寺に来たのは3年ぶりくらい。早朝の南禅寺がすごく好きで楽しみにしてきました。
京都洛東にある南禅寺は、臨済宗南禅寺派の大本山。京都でも屈指の格式をほこるお寺です。
すでにこちらから空気が全然違って、ピーンと澄んだ威厳あるエネルギーを感じます。
こちらの三門は別名「天下龍門」と呼ばれ、日本三大門の一つに数えられています。
そしてなんと誰もいない・・・奇跡です。
三門を支える大きな柱越しに、法堂が見えてきました。
三門前右方にある巨大な石灯籠。1628年の三門落慶の際に、佐久間勝之が供養の為に奉献したものだそうで、高さは6メートル以上あり、大きさは東洋一といわれています。
桜が一本だけ咲いていました。三門の周辺は見事な苔の庭がひろがっています。
法堂。
お線香を購入してお参りします。誰もいないと思っていましたが、既に2人ほど先客がいらっしゃったようで、お線香が二本たてられていました。
法堂には本尊釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩の三尊像が安置されています。
法堂の「雲龍図」は明治から大正にかけて活躍した京都画壇四条派の日本画家・今尾景年の筆による大作。
建仁寺の天井画も素晴らしく圧巻なのですが、南禅寺の天井画も壮厳。すごい迫力でした。
こちらでもしばし放心状態に^^
龍は仏教を守護する八部衆でもあり「龍神」ともいわれます。そのため禅寺の本山の多くでは法堂の天井に龍が描かれているのだそうです。
法堂は仏法を大衆に説く場所であり、龍が法の雨(仏法の教え)を降らすといわれ、
また龍神は水をつかさどることから「火災から守る」という意味も込められています。
お参りをしてから、三門の楼上へ。高さ22m。京都市内を一望できます。いつも込み合っていて断念していたので、実は今回が初体験でした。
こちらの階段を上がります。楼上に登る階段はかなり急で、降りるときがすごく怖かったです。
階段を上りきると、突然目の前がパーッと開けます。すごい解放感です!!
寺院周辺の木々の向こうに、京都の街並みが広がりまさに「絶景かな」。
歌舞伎「楼門五三桐」で石川五右衛門がこの三門からの景色をみて「絶景かな、絶景かな」と
見得を切りますが、なるほどなあと納得しながら眺めていました。
こちらも、貸し切り・・・贅沢すぎます。奇跡としか言いようがありません^^
方丈庭園へ。
慶長16(1611)年に御所の建物の下賜を受けて再建されたもので、国宝に指定されています。
大方丈前面の庭園は俗に「虎の児渡しの庭」と呼ばれ、小堀遠州の作と伝えられています。国の名勝庭園。
今回は、法堂の南側にある「南禅院」へ足を延ばしてみました。
向かう途中、レンガ造りの建築物が見えてきます。こちら水路閣。
琵琶湖の湖水を京都市内に引く「琵琶湖疏水」のために明治23(1890)年に建てられました。
美しい池泉回遊式庭園で知られる「南禅院」。深い深い静寂さにつつまれています。
こちらは出家し法皇となられた亀山天皇が寄進した離宮の遺跡で、南禅寺発祥の地なのだそうです。亀山天皇自ら設計なさったとか。
南禅院の庭は、深い樹林に包まれています。庭園内には龍の形をした上池と心字島が設けられた下池があり、池の周りに植えられている樹木は楓や紅葉です。
南禅院でも誰もいなくてこんな機会はもう二度とないかもしれません。
苔も綺麗で、青紅葉の季節に訪れたら素晴らしいだろうなあと、名残惜しい気持ちをおさえながら後にしました。
急ぎ足で八坂神社へ。
京都の中でも「祇園さん」の呼び名で親しまれ、全国各地から多くの参拝者が訪れる華やかな「八坂神社」。「この世で疫病が流行した際、茅の輪をくぐると病気にならない」といい伝えがあります。
コロナウイルスの拡大を受け、八坂神社は境内に急遽「茅の輪」を設置されました。
本来は祇園祭の前後などの年に2回使われるものですが、コロナウイルスの収束を祈願するため特別に設置されたのです。
この時期の設置は初めてであり、なんと緊急時の設置は143年ぶりとのこと!
茅の輪くぐりを目当てに訪れたのでした。
茅の輪の隣にある看板には、以下のように書かれていました。
八坂神社のご祭神素戔嗚尊(スサノオノミコト)はその昔、蘇民将来に、「世に疫病流行すれば、蘇民将来(そみんしょうらい)の子孫といい、茅の輪をつけておれば免れさせる」と約束されました。この茅の輪をくぐるのは、この由来によるものです。
此度この素戔嗚尊の神域にて茅の輪をくぐりましたみな様が現在流行の新型肺炎感染症なる疫病にかかることなく、無病息災にお過ごしになられること心よりご祈念申し上げます。
普段なら、列をなしている茅の輪くぐりですが、平日の午前中だったからなのか全然人がいませんでした。
新幹線もガラガラでしたし、こんなに人がいない京都は初めてで、いろんなところをじっくり見ることができました。
これ以上犠牲者が出ず、一刻も早く世界から疫病が鎮まることを祈るばかりです。
③に続きます。